2022-01-01から1年間の記事一覧

友達って結局何人くらいがちょうどいいの?ダンバー数とつながりの進化心理学レビュー

どうも皆さんこんばんは、gabigonです。今回は、ロビン・ダイバーさん著書の「友達って何人必要?ダンバー数とつながりの進化心理学」についてレビューしていきたいと思います。今回紹介させていただく本は、簡単に言うと、結局人生において友達って何人くら…

学びとは何か――〈探究人〉になるために

この本では、その意味で人間の変化を、環境の影響を受けつつ、多くの要素同士の相互作用によって生じる「無意識的なメカニズム」と捉え、その過程を「創発」というキーワードで捉えようとするのだ。これは、人間の成長や変化をコントロール可能なものと考え…

市場サイクルを極める【要約・書評】ハワード・マークス

〇〇ショックで株価大暴落○○バブルで株価絶好調このようなニュースをよく耳にします。 暴落や暴騰には一定のサイクルがあり、優秀な投資家たちは株価の高低のサイクルを見極めて利益をあげています。 そこで今回は市場のサイクルを見極め、利益をあげる方法…

マネジャーの最も大切な仕事 95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力

今回紹介する本は、こちらになります。 本のタイトルマネジャーの最も大切な仕事 95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 著 テレサ・アマビール、スティーブン・クレイマー 監訳 中竹竜二 訳 樋口武志 本の紹介・要約本書のポイントは、ビジネスの成功と社員…

「ネット速読の達人ワザ」 by コグレマサト

情報は溢れている。だからこそ選ぶ必要がある 「速読」というと、長い文章をパパッと眺めて一瞬で理解する特殊技術を思い起す人が多いかもしれない。 だが、本書ではそのような特別な技術を習得することを目指しているわけではない。 むしろ、選択眼をいかに…

「熟達」の持つ二つの側面に光をあてる。今井むつみ『学びとは何か』

「臨機応変な判断」ができるのはなぜ? この本が取り扱うのは、例えば次のような話題だ。 そもそも「知識」とは何か。それはただの「記憶されたもの」とどう違うのか。 人はどのようにして「知識」を身につけて(=構築して)いくのか。 一流の熟達者はなぜ…

広瀬友紀『ことばと算数 その間違いにはワケがある』

見えてくる、言葉と算数の共通点と相違点 この本を読んで良かったのが、言葉と算数の共通点や相違点を、これまでより大きな視点で捉え直すことができたこと。例えば第1章では、四則演算の結合法則や分配法則が、「迷子になった選手の愛犬」「ブラジル及びド…

「文章題ができない子」のつまづきを丁寧に分類する。今井むつみ、他『算数文章題が解けない子どもたち』

独自に開発したテストの分析が中心本書は、筆者たちが開発した「ことばのたつじん」「かんがえるたつじん」という2つのテストの設計・実施・分析の報告である。そのせいか文体も一般書というよりはやや報告書チックなのだが、内容は面白い。2つのテストの…

自分の「正しさ」に酔わないために。松岡亮二「教育格差」

松岡「教育格差」によれば、上記の「3000万語の格差」の結果の一般化には留保が必要なものの、SES(家庭の社会・経済的地位)による言語刺激格差が子どもの言語技能格差になっていることや、親子の会話量とその質が子どもの言語能力の発達に重要であることな…

教師本位でも子供本位でもなく。西尾実の国語教師論レビュー

西尾実の国語教師論 西尾実の『国語国文の教育』「教師教育論」では、国語科教員の物事に対する態度を次のように3つに分けていました(全集1巻p165〜)。 第一段階 規定を規定としてただこれに従い真面目に実行しようとしている段階。 第二段階 規定に縛せ…

広瀬友紀『子どもに学ぶ言葉の認知科学』

本書はもともと、webちくまに連載していた「宿題の認知科学」をベースに大幅に改稿したもの。だから、連載タイトルが示すように広瀬さんのお子さんのテストの珍回答がたびたび登場する。お子さんの間違いがマクラや呼び水になって、言語の奥深い世界を見せて…

創造性の源は、世界を体感して言葉にすること。諏訪正樹「身体が生み出すクリエイティブ」

日常生活にも溢れる「創造性」 まず筆者が強調するのは、創造性とは、一部の天才の特権ではないということ。狭い道ですれ違う自動車の運転手のどちらが道を譲るかという場面や日常の会話など、僕たちの日常は「あ・うんの呼吸」で決まるような創造性で溢れて…

高橋源一郎「一億三千万人のための小説教室」

これは素晴らしい本だった。小説を書きたいという生徒や小説って何だろうという生徒がいたら、これからの僕は、この本をまず薦めるだろう。ただし、君の予想とは違うかもしれないけど、という注釈つきで。何しろ、具体的な書き方の助言が一切ない。では精神…

中澤篤史・内田良「『ハッピーな部活』のつくり方」

世の中には部活を作りたい、頑張りたいという生徒もいれば、嫌だ、辞めたいのに辞められないという生徒もいます。教員も同じです。部活顧問をやりたくて教員になったという人もいれば、(僕のように)部活はそもそも教員の仕事じゃないよ、自分は授業がした…

品田茂「日本一小さな農業高校の学校づくり」

農業高校の魅力 ニワトリの解体実習、真夏の糞出し作業、なんと校内食料自給率70%以上の給食…農業高校自体についてほとんど何も知らない僕にとっては、新鮮なことばかり。この本の前半は、愛農高校の紹介と、その歴史について割かれている。この本はただの…

赤木和重・岡村由紀子「「気になる子」と言わない保育」

とてもユニークな構成。「気になる子」の側から世界を見ると… この本、とりわけ、色々な「気になる子」のケースが合計22個も扱われる第1部の構成が良かった。例えば「話を聞かなければいけない場面でいつもおしゃべりしてしまう」子のケース。どう対応する…

ピーター・ジョンストン『言葉を選ぶ、授業が変わる!』

教師の語りが教室をどう変えるか 「教師の語り」に注目した本はおそらく数多いのだと思うが(あまり読んだことがないのでただの推測です…)、この本は「こう生徒を動かしたければこう話せ」的な本ではない。教師自身があまり意識しないような言葉のはしばし…

Humankind(ヒューマンカインド)希望の歴史

Humankind(ヒューマンカインド)と何か。 僕もこの本を読んで初めて知った言葉でした。 みなさんは人間は生まれつき「善い生き物」か「悪い生き物」のどちらだと思いますか? 調べてみたのですが、一般的に前者を「性善説」、後者を「性悪説」と呼ばれてい…

両利きの経営ってなに?

どうも。 今回紹介する本は「両利きの経営」という本です。 なおなおん?両利き?両利きの経営とはいまの事業を安定化させること、そして新しいイノベーションの両方を起こせる経営のことを指しています。 つまり、攻めにも守りも強くなる方法というわけです…

子供に興味がないはなぜ?後編

わからないのは「子どもの知識がないから」そんな時に、赤木和重さんの「目からウロコ!驚愕と共感の自閉症スペクトラム入門」を読み、「子どもの姿に感動するには何が必要か」という一節があり、心を惹かれた。 そこで一つは、子どもに学ぶ姿勢です。子ども…

子供に興味がないのはなぜ?前篇

「書くのが嫌い!」な子への保育スタッフのタイプ先日、この風越ワークショップの中で、僕もライティング・ワークショップの体験会をした。絵本の読み聞かせからお話のタネを探すワークをしたのだけど、そこで、「書くの嫌い!」と言って全く参加しようとし…

スタンフォード式ストレス活用法!?

どうも 今回紹介するのは「ストレス」に関する本です。 本のタイトルスタンフォードのストレスを力に変える教科書 著 ケリー・マクゴニガル 訳 神崎朗子 大和書房 あなたはこのように思ったことありませんか? 「ストレスは体に悪いことばかり…」 「ストレス…

読書の時間の有効活用BYgabigonレビュー

「基本+α」の実践的入門書本書は「読書家の時間」(リーディング・ワークショップ)の、おそらく最良の入門書・実践書である。第一に、「入門書」として必要な情報をほぼ網羅している。たとえば、最初の導入で何をすれば良いかが低学年・高学年別に書かれて…

深い読みができる一冊だった再レビュー

どうもgabigonです!! みなさんは普段はどのように情報を収集していますか? 私もよくネットサーフィンで情報収集をしています。 個人的なレポートでドイツについて触れたり、時には学級心理学について調べてみたり。 そんな中でも以下のような方法が主流か…

いじめを生む教室とは?ドイツともつながるいじめ問題を感じた一冊

荻上チキ「いじめを生む教室」は、そのタイトルの通り、「いじめを生みやすい教室の要因」を分析し、いじめを減らす環境をどう構築するかを提言している。いじめにまつわる様々な俗論を排して、これまでの調査や研究成果に基づいて論じている点が特徴で、「…

2018年本屋大賞受賞作!!「かがみの孤城」レビュー

久しぶりの辻村深月つじむらみづき先生の本。 本作は『かがみの孤城』で2018年本屋大賞受賞後の第1作目に当たります。 作者買いした作品だったので、内容については事前情報なしのまま読み始めました。 下手なホラーよりも背筋が凍りつくようなストーリー。…

良い戦略、悪い戦略とは【要約・書評】リチャード・ルメルト

目標と戦略の違いって何だろう?どうすれば良い戦略を作れるのか?本書はこのような疑問を持った人にとても役立ちます。 せっかく戦略を作ったのに全然うまくいかない…チームをうまく動かせなくて悩んでいるこのように悩んでいる方も多いでしょう。 なぜなら…

事実はなぜ人の意見を変えられないのか、ターリーシャロットさんの渾身の一冊!上原直子さん訳

どうも皆さんこんばんは、gabigonです。今回は、ターリーシャロットさん著書上原直子さん訳の「事実ははなぜ人の意見を変えられないのか」についてレビューしていきたいなと思います。 この本は、簡単に言うと、相手に事実を伝えるだけだと相手を自分の思っ…

木下通子、「読みたい心に火をつけろ!」

どうも皆さんこんばんは、gabigonです。今回は、木下通子さん著書の「読みたい心に火をつけろ!」という本のレビューを書いていきたいと思います。この本は簡単に言うと、学校司書という仕事について書かれた本です。具体的に言うと、学校といかに連携をして…

中村髙康、暴走する能力主義レビューby gabigon

どうも皆さんこんばんは、gabigonです! 今回は、中村高康さん著書の「暴走する能力主義」について書評を書いていきたいと思います。 今回紹介させていただく本は、一言でいうとこれから来る未来には、常に新しい教育が必要であると訴えている本で、教育は時…