「ネット速読の達人ワザ」 by コグレマサト

情報は溢れている。だからこそ選ぶ必要がある
 

 

「速読」というと、長い文章をパパッと眺めて一瞬で理解する特殊技術を思い起す人が多いかもしれない。

だが、本書ではそのような特別な技術を習得することを目指しているわけではない。

むしろ、選択眼をいかに鍛えるか、ということが主眼となっている。

 

 

現代に情報はまさに溢れ返っている。

たとえテレビを見なくても、新聞を読まなくても、必要な情報は何らかの形で届くものだ。

裏を返せば、現代においては、情報が多すぎて、何を読んだらいいか分からない、ということが問題なのだ。

無駄なモノを読むことに時間を取られず、いかに有効な情報に素早くアプローチして新鮮かつ注目を浴びるネタに仕上げるか。

プロのブロガーとして、ブログの広告収入で生計を立てているコグレ氏だからこそ書ける、まさにプロの情報収集術なのだ。

 

 

今さら聞けないが満載!
 

 

本書はネットにおける情報収集の初心者をターゲットとして書かれている。

従って、ある程度以上の知識がある人にとっては、「これはもう知ってるよ」という情報も多いことは確かだ。

だが、これからネットでの情報収集を始めたいという人や、自己流でやっているけど、まだ上手くできていないという人には最適のテキストだろう。

そしてまた、自分なりに習熟していると思っている人も、通読することで、新たな発見があるだろう。

 

 

僕は普段あまり2ちゃんねる周辺の情報を見ることがないのだが、本書で「まとめサイトの効率良い回り方」を学んだので、是非試してみようこと思っている。

あと、RSSリーダーからInstapaperに送って後から読むという方式は、僕自身以前やっていたものの、最近は止めてしまっていたのだが、本書を読んで、最新バージョンのInstapaperやRead it Laterがどのように進化しているか、再確認するべきだと感じた。

 

 

ブロガーならではの裏技が面白い
 

 

情報収集の重要なテクニックというわけではないのだが、面白かったのが、ブロガーならではのちょっとした小技の数々だ。

個人的に面白かったのは、タブブラウザのウィンドウをテーマごとに分け、それぞれのウィンドウの中で個別の記事をブラウズするというもの。

取り扱う分野が広い「ネタフル」管理人ならではの小技だなと感心した。

 

 

一方で個人的にちょっと物足りなかったのは、本書が情報収集の部分に特化していて、情報発信には触れられていないことだ。

これは本書が速読の本なのだから当たり前のことで、僕のワガママなだけなのだが、コグレさんがいったいどうやってあれほどの量と質の記事をガンガン更新し続けることができるのかも知りたかった。

是非自作では、アウトプット編をお願いしたい(^-^)。

 

 

まとめ
 

 

多くの人に読まれるためには、ブログの記事の中身が面白くなくてはならない。

そのためには、ただ新しい情報を集めれば良いのではなく、「面白い」「まだ皆が知らない」記事を集中的に集める必要がある。

世の中には何百万というブログが存在し、日々更新している人も多いだろうが、ブログで食うことができている人は、ほんの一握りだろう。

 

 

そんな数少ないプロ・ブロガーだからこその情報収集術である。

iPhoneAndroidなどのスマートフォンを新たに購入した人や、新たにMacBook AirMac生活をスタートしたばかりの人なども多いだろう。

「情報収集はニュースサイトを眺めるくらい」「あとはテレビのニュース」という人は、是非本書を読んで、本格的なネット速読にチャレンジしてみてもらいたい。