スタンフォード式ストレス活用法!?

どうも

今回紹介するのは「ストレス」に関する本です。

本のタイトル
スタンフォードのストレスを力に変える教科書

著 ケリー・マクゴニガル

訳 神崎朗子

大和書房

あなたはこのように思ったことありませんか?

「ストレスは体に悪いことばかり…」

「ストレスに意味なんてない」

しかし、そうではないのです。

ストレスは自分の力に変えることができるというのです。

それではどのようにストレスを力に変えることができるのか、さっそく見ていきましょう。

本の紹介・要約
本書のポイントは、ストレスは自分の考え方次第で敵にも味方にもなるということです。

ストレスに対して自分は無力だと感じたり、ストレスは無意味だと感じるとストレスにより心や体が疲弊してきます。

反対にストレスを受け入れて考え方を変えれば困難にうまく対処できたり、人とのつながりを強めたり、そこから学び、成長することができるのです。

ここで、重要なのは私たちが成長するにはストレスから避ける生活を送るのではなく、ストレスを経験することにより自分自身を変えていくことです。

なおなお
筋トレは筋肉にストレスを与えないといつまでたっても成長しないからね!
また、本書の構成として2部構成になっており、前半はこのようなストレスへの考え方次第でストレスによる影響が変わることを解説しています。

そして後半の第2部では、ストレスを力に変えるエクササイズがたくさん紹介されており、実際に私たちのストレスへの考え方を変えることができます。

なおなお
前半が座学、後半が実践編だよ!
以上が本の紹介になります。

ストレスをうまく利用すれば自分を変えることができる!

本書を読むだけでストレスに強くなる
本書を読んで私が感じたことは、この本を読むだけである程度ストレスに強くなれることです。

本書ではストレスの考え方を変え、ストレスを自分の力にする方法が紹介されています。

そこで、「ストレスは良いものだ!」と感じることができるので、いま抱えているストレスへの思考を避けたいものから乗り越えるものへと変わります。

そう思うだけでも心はかなり落ち着くものです。

それに「少しストレスを感じたいな」と思うようになります。

なおなお
ストレス、カモン!
なので、ストレスに強くなりたい方にはピッタリの本になっていると思います。

もし「時間がないよ!」という人でも前半だけはぜひとも読んでいただきたいです。

ストレスに強くなるエクササイズをしなくてもある程度はストレスに強くなれると思いますよ。

本書を読んでストレスに強くなろう!

ストレスによる孤独を和らげるには?

私たちはストレスなどを感じて苦しんでいるときについ自分だけが苦しんでいると孤独を感じがちです。

それに周りを見渡してみるとみんな元気にしてそうに見えます。

なおなお
SNSではみんな幸せそうに見えるよ…
でも、それは間違いで多くの人は悩みや苦しみを味わっています。

なので、本書では孤独を感じたときに、ほかの人たちの苦しみに気づくことや自分の悩みを素直に周りに打ち明けることが重要だと述べています。

なおなお
ただ、打ち明けるのは信頼できる人の方がイイかも!
「苦しんでいるのは自分だけではない」「友達に悩みを話したらスッキリする」

このようなことに気づけばストレスによる孤独を乗り越えられるかもしれませんよ。

みんな自分と同じように苦しんでいることを知ろう!

実際にストレスを力に変えることができた
それでは本当にこの本でストレスに強くなれるのでしょうか。

私は本書を読んでからこの記事を書き終えるまでに3日程度かかっています。

この3日間に私にとって非常にストレスを感じる出来事が起こりました。

それは発表です。

私は元々内気なので大勢の前で話すときは非常に緊張しますし、家に帰りたくなります。

なおなお
前日からおなかの調子が悪くなるんだよな~
そこで、「私以外の人も絶対に緊張しているから大丈夫」と言い聞かせました。

さらに、ストレスは私たちに学びや成長をもたらしてくれるものだし、きっとその日を乗り越えたら以前の自分よりも強くなっていると信じ込みました。

そうすると緊張に押しつぶされることなく、心の安定を保てます。

なので、本書は発表前の精神状態を落ち着かせるという面でさっそく大活躍してくれました。

なおなお
著者に感謝です!
私にとって危機となる1日を本書を読んで乗り越えることができたので、本の金額代のもとは十分にとることができましたね。

この本を手に取ることができてラッキーです。

ストレスへの考え方は変えることができる!

まとめ ストレスを味方にしよう!
いかがだったでしょうか。

この本を読むとストレスを良いものだととらえることができるようになります。

ストレスは避けるものではなく、受け止めて、行動を変える。

私たちはストレスを拒絶しがちですが、捉え方によっては非常に心強い味方になってくれます。

ぜひこの機会にストレスへの考え方を変えてみませんか?

今回は以上になります。

それでは、また!

 

読書の時間の有効活用BYgabigonレビュー

「基本+α」の実践的入門書
本書は「読書家の時間」(リーディング・ワークショップ)の、おそらく最良の入門書・実践書である。第一に、「入門書」として必要な情報をほぼ網羅している。たとえば、最初の導入で何をすれば良いかが低学年・高学年別に書かれてある。それから、ソフト・ハード面での教室環境の整備、ミニ・レッスン、カンファランス、共有の時間にやるべきこと、評価….などなど、「読書家の時間」をこれからやってみたい人が気になる基本的情報がまとまっている。これは、旧版の頃から引き継がれた特徴だ。

それに加えて、今回の改訂版では、実践を重ねてきた著者たちならではの新しい挑戦が各所にあるのが面白い。たとえば、旧版の時は一教師だった広木さんは、今やなんと校長に。かつて担任時代にやっていた「ヒロキ図書館」を校長室で再現しようとする。都丸さんは、自分の教室だけでなく学校全体に読書文化を広げようとする。コロナ禍の中で新しい中学校に赴任した佐藤さんは、GIGAスクール対応もしながら「作家の時間」「読書家の時間」のワークショップを根付かせようとする…。こうした、現在進行形に近い形で描かれる挑戦が、著者たちもまた生身の実践者であり、「今」を紡いでいることを実感させる。著者や子どもの活き活きした姿が、この本の中に現れているのだ。読書家の時間の「基本情報」を知っている読み手にとっても、この本は読む価値のある実践本となっている。個人的には、すでに実践を知っていた著者たちなので、彼らの現在の挑戦を知って嬉しくもあり、身が引き締まる思いもした。彼らは2014年の「読書家の時間」からここまで進んでいるのに、自分はちゃんと前に進めているのかな、と。

個人的にやってみたいのは…
そういうわけで、読書家の時間を風越学園で実践している僕にとっても、付箋を貼るところが多い読書だった。こういう優れた実践書は、自分の実践を見る時の鏡になる。「いいな」「これは自分はできていないな」と思ったアイディアを、自分の備忘録として箇条書きしておこう。

①お互いの読書ノートにコメントし合う(p13)
僕はつい読者の権利10か条の「黙っている権利」を尊重したくなり、読書ノートのシェアには消極的になってしまう。でも、同年代の子同士のおすすめの威力を思うと、このように「ノートも公開前提」でも良いのかな、と最近は思いつつある。一度、やってみたい。

②ペア読書(p18, p127)
実は僕はペア読書は実践したことがない。この二学期にやるつもりなんだけど、本を通して具体的な誰かと深く繋がる機会を作っていきたい。

③保護者との関わりを増やす(p46)
読書家の時間にも保護者に来てもらうとか、保護者会でブッククラブをやってみるとか。今、校内で本を通した異学年の関わりを作ろうとしているけど、家庭との関わりも本を通して作れたらいいなあ。「大人のブッククラブ」、声をかけてみようかな….。

④読んだ本のフォルダー(頑張りフォルダー)(p124)
すぐにでも真似できそうなものの筆頭がこれ。クリアフォルダーに、読んだ本の表紙やお薦め本のカラーコピーを入れて教室の壁に掲示するというもの。いまは子どものお薦め本を読書ノートに書いたものをコピーして冊子にしてるのだけど、いざやるとけっこう手間がかかるので、こっちを定期的にやると良さそう。見栄えも良さそうだし。

⑤オンライン・ブッククラブ(p199)
中学校の佐藤さんのgoogleスプレッドシート上でのオンライン・ブッククラブの試みも面白かった。まず、一人の生徒が本の一部分を引用して、それについてのコメントをつける。すると、他の生徒がそのコメントにコメントをつける…という形で、横に意見が広がっていく形式のブッククラブだ。「とにかく楽しい」「またやりたい」との声が続出した実践だったようで、引用の練習にもなるし、俄然興味が湧いた。そして、ここで紹介されてる絵本『かないくん』もとても好きな絵本なんだよね…。

こうやってみると、やっていないこと、やってみたいことがまだまだあるなあ! 「読書家の時間ならやっているよ」という人も、この本を読むと僕のようにいろいろなアイディアをもらえると思う。とても質の高い工夫が書かれている実践書である。

個人的白眉は「はじめに」と「終わりに」

そして、この本の個人的白眉は、中心的編集者である冨田明広さんが書いた「はじめに」と「終わりに」である。冨田さんは『社会科ワークショップ』の著者でもあり、僕とは同世代ということもあってたまにzoomでやり取りをする、尊敬している勉強仲間の一人である。

今は特別支援級を担当して3年目の冨田さんは、「価値の多元性を保証する場」としてのワークショップの価値を唱えており、僕も彼と何度かやり取りをする中で蒙を啓かされているところだ(下記エントリ参照)。

その冨田さんが、「はじめに」で、「主体性」を失いつつある学校現場が子どもの主体性を育てようとしている(させられている?)現状への批判的認識を表明し、教師自身が主体性を持って子どもの主体性を育てるためのチャレンジとして、「ワークショップ」を位置付けている。同時に、「おわりに」では、ワークショップだからこそ、「それぞれの子どもの好きなものやこれまでの経験が、書いた作品を通して、あるいは読んでいる本を通して、ガラスのごとく透き通って見えて」きて、子どものありのままの魅力を認められるのだ、というワークショップの魅力が語られる(p216)。

こういう、「作家の時間」や「読書家の時間」を超えて「ワークショップ」の魅力を真っ直ぐに語れるのが冨田さんならではの凄みで、社会科ワークショップを実践・執筆された経験がここにも活きているのだろう。どうしても興味が「国語科」に限定される自分としては、冨田さんのような優れた実践家の言葉から教えられることはとても多い。この「はじめに」と「おわりに」は、何度でも味わいたい箇所である。旧版を読んでいない方はもちろん、すでに読んだ方も、ここだけでも手に取ってみてほしい。

オンライン版「教師の変容」もお薦め

なお、改訂版の刊行にともない、旧版の一部が「オンライン章」として執筆者の冨田さんのウェブサイトで公開されている。「旧版第6章:ガイド読み」、「旧版第9章:年間計画」、「旧版第10章:教師の変容」である。特に、「第10章:教師の変容」は、旧版の中でも白眉だった。今回は中学校教師である佐藤さんの歩みが掲載されたためにオンライン章になったが、「読書家の時間」に興味がある人は、このオンライン第10章から読むのをお薦めする。これを読んで心が揺れた人は、そのまま『改訂版 読書家の時間』を購入しよう。中学生向けのお薦め本リストもあるので、中学校教員の方はそちらも参考になるだろう。

 

深い読みができる一冊だった再レビュー

どうもgabigonです!!

みなさんは普段はどのように情報を収集していますか?

私もよくネットサーフィンで情報収集をしています。

個人的なレポートでドイツについて触れたり、時には学級心理学について調べてみたり。

そんな中でも以下のような方法が主流かと思われます。


テレビ
SNSやネット記事
さまざまな情報源があるなかでつぎのような疑問を持ったことのある人は多いのではないでしょうか?

「紙とデジタルだとどっちのほうが良いの?」

今回紹介する「デジタルで読む脳×紙の本で読む脳」はこの疑問にこたえてくれます。

それではどのような内容なのか、さっそく見ていきましょう。

本のタイトル
デジタルで読む脳×紙の本で読む脳「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる

著 メアリアン・ウルフ

訳 大田直子

インターシフト

本の要約・ポイント
本書のポイントはデジタルメディアによって深い読みを育むことが難しくなっているということです。

紙の本を熟読することによってつぎのような力を養うことができます。

推論
分析
共感
しかし、デジタルメディアでは情報の量が多く、その更新スピードも速すぎるため考える余裕がなくなってしまいます。

なおなお
たしかにネット記事は読むよりも見るという感覚に近くて次から次へと流し読みをしてしまいます…
もちろん膨大な情報に触れることによって自分の知らないさまざまな情報にアクセルことも可能です。

しかし、うまく使わなければ考える力が失われるかもしれません。

そこで本書では「紙とデジタルのどっちかは捨てろ」ということではなくそれぞれを両立させた読み方を身につける必要があると述べられています。

なおなお
プログラミングなどのコンピュータを取り扱うスキルを習得することによって深く読む力が養われる可能性があるので一概に「デジタル=浅い読み」と考えるのはよくないかもしれません。
デジタルの正しい使い方を見つけたうえで、デジタルデバイスで読む力を鍛えていきたいですね。

デジタルでの読みは注意力が低下する

デジタルデバイスでの読みは記憶力や集中力を低下させる可能性があります。

ネット記事やSNSは広告や他の見出しがあふれているので納得できますが、電子書籍にも当てはまるのです。

私にもなんとなくその自覚があるのですが、電子媒体だとどうしても読むというよりも見てしまします。

なので、意識しないと軽く読み流したり、俗にいうななめ読みをしてしまうのです。

なおなお
紙の本のほうが付箋や書き込みがしやすかったり簡単にページをさかのぼれるので立ち止まって考えやすくなります。
もちろん電子書籍もマーカーや付箋など便利な機能がたくさんありますが、紙の教科書で育った私としてはまだ紙の書籍のほうが扱いやすいです。

ほかにも注意力や考える力をそぐ要因はいろいろ考えられます。

すぐにほかの娯楽系アプリケーションを起動させることができる
連絡の通知が来る
何でも検索できるので自分で考えなくなる
とくに問題なのは検索すれば答えは何でも出てくるので分析力や批判的思考が育ちにくくなることです。

そうなると陰謀論を信じやすくなったり、自分の求めている情報だけを見るようになります。

なのでデジタルデバイスで情報を集めてたり文章を読むときはこのようなデメリットを意識して読むべきです。

そうすればデメリットを対策しながらうまく情報を集められるようになるでしょう。

デジタルデバイスを正しく利用しないと分析力や批判的思考、共感力が低下する

深い読みができなくなると民主主義は崩壊する

デジタルデバイスによって陰謀論を信じやすくなったり、考える力が失われると民主主義が維持できなくなる可能性があります。

最近のウイルス騒動などでもさまざまな極論を信じて変なことをしている人をよく見かけます。

このような人たちが国民の大部分を占めると国民の総意で政治を進める民主主義は崩壊してしまうことは容易に想像がつきますね。

なので、私たちは自分の読む力を鍛えるだけでなく、子供たちにも正しい教育をしなければなりません。

読む力は話す力と違い、自然には身につかないので、学校や家庭教育で私たちが正しく導かなくてはいけません。

スマホタブレットを渡すだけでは不十分ということです。

とはいえ教育する側の私たちも正しくデジタルデバイスを使うことができないという問題があるので、まずは私たちが学ぶことから始める必要がありそうですね。
これからもテクノロジーの発展によってさまざまなデジタルデバイスやサービスが普及すると思います。

なので、私たちは大人だからと言って学ぶことをやめてはいけません。

学ぶ姿勢を保ち続けて時代の変化に対応していくことが一番重要ですね。

国民全員が読みリテラシーを向上させる必要がある

まとめ 紙とデジタルのいいとこどりをしよう!

いかがだったでしょうか。

デジタルは私たちの読む力を低下させる危険性がありますが、正しく利用すれば非常に心強い味方にもなってくれます。

モノも使いようといったところでしょうか。

なので、正しく利用方法を身につけて考える力を身につけていきたいですね。

ということで今回は以上になります。

それでは、また!

 

いじめを生む教室とは?ドイツともつながるいじめ問題を感じた一冊

荻上チキ「いじめを生む教室」は、そのタイトルの通り、「いじめを生みやすい教室の要因」を分析し、いじめを減らす環境をどう構築するかを提言している。いじめにまつわる様々な俗論を排して、これまでの調査や研究成果に基づいて論じている点が特徴で、「いじめをおこしにくくする」ための教員必読の本だと思う。

「どうすればいじめは増える?」という問い
この本が優れているのは「どうすればいじめは減るのか」ではなく「どうすればいじめは増えるのか」という問いを出発点においている点。学級会や道徳の授業でしばしば見られる前者の問いは、心掛けとか周りの人の態度とか、要するにいじめを「個人」の問題にしがちである。ところが、問いの形を変えるだけで、「どういう状況だといじめは増えやすいのか」という環境要因に意識が行く。この問いにとても力を感じた。


環境要因へのアプローチ
そして、筆者がいじめにまつわる様々なデータや、いじめを分析した先行研究に基づいて議論を進めてくれるのも、とても勉強になる。例えば、日本のいじめは他国に比べても圧倒的に「教室で」が多い。これは、彼らが休み時間においてすら行動の自由を奪われ、ストレスが多い環境に置かれており、そのストレスのはけ口として特定の生徒が選ばれている可能性が高いことを意味する。そうすると、実は教室でのいじめ問題を減らすには、休み時間の流動性を高めることが有効になる。こんな風に、環境要因にアプローチしていくのだ。そして、様々な調査から、結局のところ次のような教室環境を整備し、子どものストレスを減らすことで、いじめは起きにくくなるという知見を導いていく。


効果的な道徳教育ってなに?
いじめ対策として一部の人が言いたがる「道徳教育の充実」。でも、この本の、道徳教育が「いじめをしてはいけない」「人にはこうしなければいけない」という特定の価値観を強制するものであればあればあるほど、そこから逸脱した者を生み、その逸脱者がいじめの標的になりやすい、という指摘は面白かった。実際に、同調圧力が強かったり特定の道徳観を押し付けたりする教室ではいじめが多い、という調査もあるそうだ。では、効果的な道徳教育とは何だろう?

いじめ加害者の典型的「言い訳」パターン
また、非行社会学の「漂流理論」を用いていじめの加害者の典型的言い訳パターンを分類しているのも興味深い。人は、自分が抱く罪悪感を中和するために、5つの「中和の技術」を用いるのだという。それが「責任の回避」「危害の否定」「被害者の否定」「非難者への非難」「高度の忠誠への訴え」である。こうしたパターンは、具体的には次のような「言い訳」として現れる。

いじめなければ自分がいじめられるから(責任の回避)
いじめではなくて遊んでふざけていただけ(危害の否定)
相手に悪いところがあるから懲らしめていただけ(被害者の否定)
誰だっていじめをしている。あの子だって(非難者への非難)
クラスのノリを乱す方が悪いんだ(高度の忠誠への訴え)
こうした「言い訳パターン」を教師がしっかり認識して、子どもの中和の技術に流されないことが大事、とこの本では書かれていたが、一歩進んで、こういうパターンを普段から生徒と共有しておきたいなあと思った。こうやって言語化して共有することで、いじめは減らせるのではないかと思う。

著者の「本気」を感じる本。「知識」を身につける一冊
いじめに関する本、僕も仕事柄、多くはないけど読んできた。その中では、日本型学級制度にいじめの原因を求める内藤朝雄の理論が興味深いけど、分析から一足とびに学級解体を訴える彼の主張は、現場の一教員としてはアクションが起こしにくいところがあったのも確か。

その点、この「いじめを生む教室」は、一人の教員としてできる知見も多い。また「いじめを先生に言ってもかえって悪化する」イメージを持つ人も少なくないが、この本で紹介された調査では「なくなった」「少なくなった」ケースが6割強を占める。少なくとも、いじめへの大人の介入は効果的なことが多いのだ。そういう点で、教員の動き方って大事だなあと思う。
必要なのは、正しい知識に裏付けられた、解決しようという気持ち。いじめを減らすために必要な「知識」を、大人たちに提供してくれている本だ。「すべきことは山積みです。共に、社会を前に進めていきましょう」という「あとがき」の言葉に、著者の本気を見ることができる。共に、前へ行きましょう。

2018年本屋大賞受賞作!!「かがみの孤城」レビュー

久しぶりの辻村深月つじむらみづき先生の本。

本作は『かがみの孤城』で2018年本屋大賞受賞後の第1作目に当たります。

作者買いした作品だったので、内容については事前情報なしのまま読み始めました。

下手なホラーよりも背筋が凍りつくようなストーリー。何度もゾッとしました。

辻村先生の過去作同様、本書でも、傷つき痛みを抱えた人たちが丁寧に描かれ、読み手の心を深く抉ってきます。

久しぶりに再会した相手との会話。しかし、自分の記憶に残っている相手とはまるで違う。

嚙み合わない会話がもたらす残酷な真実。

胸が苦しくなりながらも、最後まで読むことをやめられませんでした。

4話からなる短編集です。

感想
過去からの復讐
も、1人はなんとも感じないのに、もう1人は傷つけられたと思うかもしれません。

極端な例かもしれませんが、たとえば「勉強できてす自分は小学生時代、引っ込み思案で極度の運動音痴でした。鉄棒を前にしたまま動けずにいたとき、先生が呆れたように大きくため息をついたことを、いまでもおぼえています。私はそのとき大きなショックを受けましたが、たぶん、先生は忘れているでしょう。

さを思い人は誰しもが無自覚に相手を傷つけ、そして相手に傷つけられています。

かつて何気なく放った言葉やとった行動が、数十年の時を経て最悪の形で返ってくる恐ろしさに、思わず悲鳴が漏れそうになりました。

自分が何気ない一言や行動に傷つけられたように、自分の何気ない一言や行動が過去に相手を傷つけていたかもしれない。そう思うと、胸に痛みが走ります。確認のしようがないからこそ、非常に居心地が悪い。

いままで見て見ぬふりをしていた事実を、容赦なく突きつけられた気分です。

他人事ではないからこそ、鳥肌が立つ思いでした。

人と人との血の通ったコミュニケーションをとる、そのことを忘れないようにしたい。

人を傷つけないでいることは難しい
人の言葉をいちいち覚えていて、勝手に傷つくのはやめてほしい。こっちはそんなに深く考えていないのに、繊細すぎる。

『嚙みあわない会話と、ある過去について』 83頁
言葉や行動の印象は、相手の受け取り方に大きく左右されます。

同じ思いで同じ言葉を2人の人間に投げかけたとしてごいね」という言葉。

褒められてると感じる人が大多数かと思いますが、中には皮肉を言われてると反感を持つ人もいるでしょう。後者の場合、発言者がそんなつもりで言ったわけではないと言ったところで意味はありません。受け手にとっては、皮肉を言われたというのが真実なのですから。

一度傷つけられたばかりに相手のことを憎み、それ以降、相手の言動をすべて曲解して受け止めるようになった、なんていうことも考えられます。

記憶は常に主観が入り混じり、真実なんてものは誰にもわかりません。

言葉による傷は暴力による傷とは違い、周囲の人間が客観的に推し量ることは不可能です。傷ついた本人にしか、その深さや痛みはわからない。

人間関係の難し知らされます。

他人を傷つけることをゼロにはできない。では、自分はいったいどうすればいいのか。

本書を読みながら、何度も考えさせられました。

良い戦略、悪い戦略とは【要約・書評】リチャード・ルメルト

目標と戦略の違いって何だろう?
どうすれば良い戦略を作れるのか?
本書はこのような疑問を持った人にとても役立ちます。

せっかく戦略を作ったのに全然うまくいかない…
チームをうまく動かせなくて悩んでいる
このように悩んでいる方も多いでしょう。

なぜなら戦略1つで結果は大きく変わってしまうものだからです。

しかし、安心してください。

本書を読めば、あなたも最適な戦略を作れるようになり、いまよりも成果を出せるようになるでしょう。

それではどのような良い戦略なのか、さっそく見ていきましょう。

そこで、私が大切なポイントだと思ったのは次の3つになります。

悪い戦略が多すぎる
戦略の基本は相手の短所にこちらの長所を全力でぶつけること
状況を分析したうえで方針を作り、一貫した行動を取ること
本書を読めば何が良い戦略で何が悪い戦略なのかが一目瞭然となります。

自分で戦略を立てるときに参考にしても良いですし、自分の会社の戦略が合っているのかどうかもわかります。

なおなお
自分の会社も悪い戦略を立てているかも…
「自分は悪い戦略を立てている…」

このように思った人も安心してください。

世の中を見渡してみるとほとんどが悪い戦略であることがわかります。

それではなぜ悪い戦略がここまではびこっているのでしょうか。

本書を読むと良い戦略と悪い戦略の特徴がわかります!

悪い戦略が多すぎる
悪い戦略が多い理由は、戦略とは何かをわかっていない人が多いからです。

そもそも目標と戦略の違いは何なのでしょうか。

なおなお
う~ん。考えたことない…
目標とは今後どうありたいのか、そして戦略はその目標を達成するためにどうすれば良いのか具体的な行動を示さなければいけません。

しかし、よくみなさんの戦略を見てみると、目標と戦略をはき違えているのです。

「私たちの戦略は新規事業の売上を1000万円増やすことです」

「経費を削減して、その分設備投資に回しましょう」

これではただの願望であり、実際にどうすれば達成できるかがわかりません。

なので、売上を伸ばすために、コストカットをするために具体的に何をすればよいのかまで考える必要があるのです。

ここでのポイントは、

単純明快でわかりやすいか
行動に結び付けれるのか
達成可能なものなのか
これらを吟味しなければいけません。

なおなお
当たり前っちゃ当たり前ですね。
従業員が理解できなかったり、実行できなければ意味がないですからね。

たったこの3つをクリアするだけでもかなり良い戦略になると思います。

あなたの戦略はどうですか?


戦略は誰にでも理解できて実行できるものでないくてはならない

相手の弱点にこちらの強みを全力でぶつける
では、具体的な戦略の方針としてどのようなものが良いのでしょうか。

戦略の基本は相手の弱点にこちらの強みを全力でぶつけることです。

そのためには相手の弱み、ビジネスでは誰も手をつけれないけど自分たちにはできることを見つける必要があります。

さらにここでのポイントは中途半端に取り組むのではなく、全力で取り組むことです。

なおなお
そんなの当たり前だよ!
ですが、本当にできているでしょうか。

既存の事業があるからリソースをあまり割けなかったり、いろんなことを同時並行で行っている…

これではせっかくの良い戦略も中途半端に終わってしまいます。

なので、一点集中でやり抜く必要があるのですが、その分大きなリスクもついてきます。

大学受験でもいろんな大学の過去問を解いて滑り止めを作っておくより、第一志望校の過去問に集中したほうが第一志望校には受かりやすいでしょう。

しかし、このようなリスクを取れるか取れないかが成功できるかどうか大きく左右するのです。

もちろん分散しても成功することはありますが、一点集中の方が成功の確率は高いことは明らかでしょう。

とはいえ、誰も手をつけていない市場と自分の強みがマッチしていれば良いのですがなかなか難しいところではありますね。

誰も手をつけていない分野で自分の強みを最大限に発揮しよう!

状況を分析し、それに一貫した行動を取る

それでは最後に戦略の核となる3つの要素を紹介します。

著者はこのことをカーネル戦略と呼んでいます。

カーネル戦略の3つの特徴は、

課題の診断
課題に取り組む基本方針
基本方針に基づいた一貫した行動
になります。

良い戦略はこの3つをすべて満たしていることが多いのです。

私たちの多くはなんとなく基本方針だけを示しがちですが、ちゃんと状況を分析をしたうえで課題を判明させ、それを解決するための行動までしないといけないのです。

なおなお
方針だけだと机上の空論になりがちだからね!
この3つの要素と最初に説明した戦略のわかりやすさを満たすことができれば、あなたやチームの実力は格段に上がるはずです。

ただ、現代社会は複雑で課題をすぐに解明することは難しいことが多いです。

ですから何度も仮説を立てて、実行するというような試行錯誤も大切ですね。

課題を分析し、基本方針を立てて、基本方針に基づく一貫した行動が大切です。
ただ、課題の分析は難しいため、試行錯誤を重ねよう!
まとめ これであなたも戦略家になれる!
いかがだったでしょうか。

良い戦略はシンプルでわかりやすく、課題解決に基づいた行動が取れるようなものでなくてはいけません。

私たちはつい曖昧な目標を戦略と混同して、動けなくなってしまいます。

なので、良い戦略を立てて、パフォーマンスを最大限に出せるようになってくださいね。

ぜひ、本書の詳しい内容が気になった方は一読してみてください。

ということで今回は以上になります。

それでは、また!

事実はなぜ人の意見を変えられないのか、ターリーシャロットさんの渾身の一冊!上原直子さん訳

どうも皆さんこんばんは、gabigonです。

今回は、ターリーシャロットさん著書上原直子さん訳の「事実ははなぜ人の意見を変えられないのか」についてレビューしていきたいなと思います。

この本は、簡単に言うと、相手に事実を伝えるだけだと相手を自分の思っている方向へ行かせるのは難しいということですね。

これはつまり自分の言った事実に賛同してもらうことは非常に難しいということですね。

では具体的に説明していきます。

 

人間は他人からの事実を100%賛同することは無理

この本では、人間は100%他人から与えられる事実を信じるのは無理だと述べています。

それゆえ、人の意見を変えることは難しいと筆者は考えているわけですね。

そしてなぜ人が事実を信じられないのか、それは人間が感情がある生き物だからなんですね。

 

その感情によって生まれるプライドが、事実を行け入れがたくしている原因だと本書では述べられています。

 

説得するためのアプローチ法

では、どのようにしたら事実を受け入れやすく話すことができるのか、それは感情を逆利用することです。

感情の逆利用、それは人間の中にある負の感情、例えば意欲や恐怖といった感情ですね。

これらを考慮して説得してみるということです。

人間は事実よりも自分の感情を中心に話を受け取ってしまう。

本書にも書かれているこの言葉は、この本を端的に表している一文だと思います。

例えば、心霊スポットで幽霊にあった!という事実を聞いても、それを真実だと思う人は少数でしょう。

要はこういうことですね。

 

この話に含まれている恐怖という感情が事実に雲をかけてしまっているわけです。

感情ではなく、事実に元づいた説得

人間が感情によって話を受け取るということは、十分わかっていただけたと思いますが、それでは、事実によって人は話を受け取ることができないのかといわれるとそうではないです。

むしろ、その話が事実だと証明できたなら、その話をしたあなたは、より一層の信頼を獲得することができるでしょう。

 

では、事実に基づいて話をするにはどうしたらよいか。

それは自分自身で事実を判断するというマインドでいること、そして相手にもそう思わせることだと本書では述べられており、あくまでも大事なのは事実と向き合うことだと述べられています。

 

まとめ

ということで、ここからまとめです。

今回は、「事実は人の意見をなぜ変えられないのか」についてレビューを書いてきました。


今回紹介させていただく本は、簡単に言うと、人をいかに説得出来るか?が書かれた本です。

皆さんも人と話すときの注意するべき点として、この本を一度手に取ってみてもいいんじゃないでしょうか?

ということで、今回は以上です。

ばいばい!