2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

教師本位でも子供本位でもなく。西尾実の国語教師論レビュー

西尾実の国語教師論 西尾実の『国語国文の教育』「教師教育論」では、国語科教員の物事に対する態度を次のように3つに分けていました(全集1巻p165〜)。 第一段階 規定を規定としてただこれに従い真面目に実行しようとしている段階。 第二段階 規定に縛せ…

広瀬友紀『子どもに学ぶ言葉の認知科学』

本書はもともと、webちくまに連載していた「宿題の認知科学」をベースに大幅に改稿したもの。だから、連載タイトルが示すように広瀬さんのお子さんのテストの珍回答がたびたび登場する。お子さんの間違いがマクラや呼び水になって、言語の奥深い世界を見せて…

創造性の源は、世界を体感して言葉にすること。諏訪正樹「身体が生み出すクリエイティブ」

日常生活にも溢れる「創造性」 まず筆者が強調するのは、創造性とは、一部の天才の特権ではないということ。狭い道ですれ違う自動車の運転手のどちらが道を譲るかという場面や日常の会話など、僕たちの日常は「あ・うんの呼吸」で決まるような創造性で溢れて…

高橋源一郎「一億三千万人のための小説教室」

これは素晴らしい本だった。小説を書きたいという生徒や小説って何だろうという生徒がいたら、これからの僕は、この本をまず薦めるだろう。ただし、君の予想とは違うかもしれないけど、という注釈つきで。何しろ、具体的な書き方の助言が一切ない。では精神…

中澤篤史・内田良「『ハッピーな部活』のつくり方」

世の中には部活を作りたい、頑張りたいという生徒もいれば、嫌だ、辞めたいのに辞められないという生徒もいます。教員も同じです。部活顧問をやりたくて教員になったという人もいれば、(僕のように)部活はそもそも教員の仕事じゃないよ、自分は授業がした…

品田茂「日本一小さな農業高校の学校づくり」

農業高校の魅力 ニワトリの解体実習、真夏の糞出し作業、なんと校内食料自給率70%以上の給食…農業高校自体についてほとんど何も知らない僕にとっては、新鮮なことばかり。この本の前半は、愛農高校の紹介と、その歴史について割かれている。この本はただの…

赤木和重・岡村由紀子「「気になる子」と言わない保育」

とてもユニークな構成。「気になる子」の側から世界を見ると… この本、とりわけ、色々な「気になる子」のケースが合計22個も扱われる第1部の構成が良かった。例えば「話を聞かなければいけない場面でいつもおしゃべりしてしまう」子のケース。どう対応する…

ピーター・ジョンストン『言葉を選ぶ、授業が変わる!』

教師の語りが教室をどう変えるか 「教師の語り」に注目した本はおそらく数多いのだと思うが(あまり読んだことがないのでただの推測です…)、この本は「こう生徒を動かしたければこう話せ」的な本ではない。教師自身があまり意識しないような言葉のはしばし…

Humankind(ヒューマンカインド)希望の歴史

Humankind(ヒューマンカインド)と何か。 僕もこの本を読んで初めて知った言葉でした。 みなさんは人間は生まれつき「善い生き物」か「悪い生き物」のどちらだと思いますか? 調べてみたのですが、一般的に前者を「性善説」、後者を「性悪説」と呼ばれてい…

両利きの経営ってなに?

どうも。 今回紹介する本は「両利きの経営」という本です。 なおなおん?両利き?両利きの経営とはいまの事業を安定化させること、そして新しいイノベーションの両方を起こせる経営のことを指しています。 つまり、攻めにも守りも強くなる方法というわけです…

子供に興味がないはなぜ?後編

わからないのは「子どもの知識がないから」そんな時に、赤木和重さんの「目からウロコ!驚愕と共感の自閉症スペクトラム入門」を読み、「子どもの姿に感動するには何が必要か」という一節があり、心を惹かれた。 そこで一つは、子どもに学ぶ姿勢です。子ども…

子供に興味がないのはなぜ?前篇

「書くのが嫌い!」な子への保育スタッフのタイプ先日、この風越ワークショップの中で、僕もライティング・ワークショップの体験会をした。絵本の読み聞かせからお話のタネを探すワークをしたのだけど、そこで、「書くの嫌い!」と言って全く参加しようとし…

スタンフォード式ストレス活用法!?

どうも 今回紹介するのは「ストレス」に関する本です。 本のタイトルスタンフォードのストレスを力に変える教科書 著 ケリー・マクゴニガル 訳 神崎朗子 大和書房 あなたはこのように思ったことありませんか? 「ストレスは体に悪いことばかり…」 「ストレス…

読書の時間の有効活用BYgabigonレビュー

「基本+α」の実践的入門書本書は「読書家の時間」(リーディング・ワークショップ)の、おそらく最良の入門書・実践書である。第一に、「入門書」として必要な情報をほぼ網羅している。たとえば、最初の導入で何をすれば良いかが低学年・高学年別に書かれて…

深い読みができる一冊だった再レビュー

どうもgabigonです!! みなさんは普段はどのように情報を収集していますか? 私もよくネットサーフィンで情報収集をしています。 個人的なレポートでドイツについて触れたり、時には学級心理学について調べてみたり。 そんな中でも以下のような方法が主流か…

いじめを生む教室とは?ドイツともつながるいじめ問題を感じた一冊

荻上チキ「いじめを生む教室」は、そのタイトルの通り、「いじめを生みやすい教室の要因」を分析し、いじめを減らす環境をどう構築するかを提言している。いじめにまつわる様々な俗論を排して、これまでの調査や研究成果に基づいて論じている点が特徴で、「…

2018年本屋大賞受賞作!!「かがみの孤城」レビュー

久しぶりの辻村深月つじむらみづき先生の本。 本作は『かがみの孤城』で2018年本屋大賞受賞後の第1作目に当たります。 作者買いした作品だったので、内容については事前情報なしのまま読み始めました。 下手なホラーよりも背筋が凍りつくようなストーリー。…

良い戦略、悪い戦略とは【要約・書評】リチャード・ルメルト

目標と戦略の違いって何だろう?どうすれば良い戦略を作れるのか?本書はこのような疑問を持った人にとても役立ちます。 せっかく戦略を作ったのに全然うまくいかない…チームをうまく動かせなくて悩んでいるこのように悩んでいる方も多いでしょう。 なぜなら…

事実はなぜ人の意見を変えられないのか、ターリーシャロットさんの渾身の一冊!上原直子さん訳

どうも皆さんこんばんは、gabigonです。今回は、ターリーシャロットさん著書上原直子さん訳の「事実ははなぜ人の意見を変えられないのか」についてレビューしていきたいなと思います。 この本は、簡単に言うと、相手に事実を伝えるだけだと相手を自分の思っ…

木下通子、「読みたい心に火をつけろ!」

どうも皆さんこんばんは、gabigonです。今回は、木下通子さん著書の「読みたい心に火をつけろ!」という本のレビューを書いていきたいと思います。この本は簡単に言うと、学校司書という仕事について書かれた本です。具体的に言うと、学校といかに連携をして…

中村髙康、暴走する能力主義レビューby gabigon

どうも皆さんこんばんは、gabigonです! 今回は、中村高康さん著書の「暴走する能力主義」について書評を書いていきたいと思います。 今回紹介させていただく本は、一言でいうとこれから来る未来には、常に新しい教育が必要であると訴えている本で、教育は時…

デジタル的に人を評価する?デジタルリセットレビュー

どうも皆さんこんばんは、gabigonです。今回は、秋津洲さん著書の「デジタルリセット」の書評を書いていきます。今回紹介する本は、

生きのびるための犯罪、レビュー

どうも皆さんこんばんは、gabigonです。 今回は、「生き延びるための犯罪」の書評を書いていきたいと思います!本書は、ダルク女性ハウスと呼ばれる施設を通して依存症を患った女性たちについて述べている本です。というのも、この「ダルク女性ハウス」と呼…

英検、各級のレベル解説!あなたはどの級がねらい目?

どうもみなさんこんにちは、gabigonです。 英検と一口に言っても、1級から5級まで、漢検数検ほどではありませんが階級分けされており、それぞれ適正レベルというのがあります。今回はその適正レベルについてお話をしていきます。 ということで、英検5級から…

英検SCBT!従来型との違いとは?それぞれ実際に受けてきた筆者が徹底解説!!

どうも皆さんこんにちはgagbigoです!! 今回は、英検従来型とSCBTの違いについて解説していきます! まず、SCBTとはなんぞやというのを説明しておくと簡単に言えばパソコンで英検を受けることの出来る方式です。また、大きな違いとしてもう一つ従来型に比べ…

公教育を1から考えてみよう、レビュー

こんにちは、がびごんです!!今回は、「公教育を1から考えてみよう」というオランダの教育を研究されている先生、リヒテルズ先生が書かれた本です。本書は簡単に言うと、日本の教育の問題点を指摘している本です。 例えば、日本の学歴主義などですね。 では…

リーダーシップはみんなが持てる!リーダーシップ教育のフロンティア「実践編」レビュー

こんにちは。gabigonといいます。初めましての人は初めまして!!! 今回は、「リーダーシップ教育のフロンティア(実践編)」をご紹介させていただきます。皆さんはリーダーシップは少人数の資質のある人だけ持つもの、思っていませんか? 本書はリーダーシ…

佐々木繁範さん著作、スピーチの教科書レビュー

こんにちは。gabigonといいます。初めましての人は初めまして!!! 今回紹介させていただく本は、「思いが伝わる心が動くスピーチの教科書」著書佐々木繁範さんです!皆さんは、話し方の授業を受けたことがありますか? 多くの方がこの質問にノーと答えると…

書評「クラウドHACKS!」 by 小山龍介

こんにちは。gabigonといいます。初めましての人は初めまして!!!今回は、小山龍介さん著書の「クラウドHACK」についてレビューしていきたいと思います!この本は、簡単にいうと「クラウドの本」です。本書は小山龍介さんの「ライフハッグの鬼」の最新刊で…

英検ライティング、面接におすすめな参考書4選!あなたはどの参考書がおすすめ?

どうも皆さんこんばんは!gagbigoです! 皆さん普段ライティングや面接対策はどのようになされていますか?学校の先生に面接官役になってもらったり、過去問で演習したり、そんな時に使えるフレーズや型があれば楽に文章を組み立てられると思いませんか?今…